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自己表現の場

​書評 

「バブルの物語」この書籍はジョン・ケネス・ガルブレイスの著作である。「バブルの物語」は、様々な歴史を通じて繰り返される投機的熱狂と陶酔的熱狂そしてその必然的な崩壊のパターンについて紹介している。ガルブレイスは、歴史においての様々なバブル(例えば、17世紀オランダのチューリップ恐慌)を分析し、それらに共通する特徴と人間的心理を指摘している。バブルが始まり、初期の投資家は利益を得ると、利益を得る人々を見て、市場に多くの人が参入し始める。一旦価格が下がり始めると、価格は急速に下落し、バブルは崩壊する。このような投機的バブルについて紹介されている。ガルブレイスは、このような投機的バブルは人間の本性が原因であり、完全に防ぐことは難しいとしつつも、そのメカニズムを理解し、歴史から学ぶことの重要性を説いている。しかし歴史としていくらバブルの失敗を経験しても人々の陶酔的熱狂は避けられない。人間の根ざしている欲望といったものは変わらないので新たな魅力的なものが現れると、再度失敗するであろう。ガルブレイスは唯一の対抗策として側から見ると愚かしく思えるような懐疑主義を提案している。ガルブレイスは本書の中で皮肉的な表現をしている。この表現は読者にとっては突き放すような表現であるが彼なりの人間社会に対しての警告であると思う。私はこの書籍は投資の機会が増える社会人やこれから社会人になる若い世代にとって読むべき書籍であると思う。
バブルの物語(著 ジョン・K・ガルブレイス)

私が紹介するのは「すばらしき世界」という映画です。この映画は主演を演じる役所広司が元ヤクザであり長年刑務所に入り、服役を終え日本社会に復帰するという話である。この映画では一度前科を持ってしまった人の日本社会での生きづらさを表現している。三上(役所広司)は服役後、身元引受人の元で社会復帰を目指すが彼は頼りにできる家族はいなく生活保護を受け、健康状態が良くなく、まともに労働することができない。そして彼は自分が所属していたヤクザの組に戻り、社会復帰を諦める。そしてその組が警察に摘発され、彼はいよいよ社会的に孤立してしまう。服役後から三上を気にかけ、三上のテレビの企画を考えていたテレビマン(仲野太賀)角田と共に三上は社会復帰を目指す。三上は結局、介護士として社会復帰を果たす。印象に残っているの後半のシーンである。介護士として働き始め、障がいを持っている同僚と仲良くなり、孤立から脱し、生きがいを感じる場面がある。これはまさに「小さな労働」での自らのアイデンティティの確立であるように思える。三上は短気であり、道でチンピラがいて誰かに迷惑をかけていたら注意し、暴力沙汰にしてしまうほどである。介護士として働いていたある日、自分が仲良くしていた障がいをもった同僚が別の同僚たちにいじめられ、他の同僚たちにも本人のいないところで悪口をたくさん言われていた。私は三上が手を出す、または悪口を注意すると思ったが彼は何もしなかった。ただ苦笑いをしていたのである。私は形はどうであれ彼が日本社会に復帰できたかのように思えた。










本書は、人々が理想とするいわゆる悠々自適なセカンドライフではなく、大多数の普通の人々が直面する定年後の現実を描いている。実際に定年後も働き続ける人々へのインタビューを通して、彼らがどのような思いで仕事に向き合い、何に価値を見出しているのかを具体的に紹介している。そして社会とのつながりや誰かにとって役に立ち、必要とされる「小さな仕事」に満足感を見出す姿が浮かび上がる。こうした「小さな仕事」が、少子高齢化を迎え労働力不足が深刻化する日本社会において、経済的にも社会的にも重要な役割を果たすことを論じ、個人にとっても社会にとっても持続可能な定年後のあり方を提言している。本書では、定年後の働き方として「小さな仕事」に焦点を当てている。これは、収入は少ないものの、ストレスが少なく、地域社会に貢献できる仕事であり、多くの高齢者が満足感を得ていると述べられている。高齢者は若い頃と比べると生きがいが少ないのでアイデンティティを求めているのではないかと思う。本書は、単に「定年後も働かなければならない」という厳しい現実を突きつけるのではなく、むしろ「働くことを通じて、より豊かで満足度の高い人生後半戦を送ることができる」という前向きなことを発しています。定年後のキャリアプランに悩む人、漠然とした不安を感じている人、そしてより良いシニアライフのあり方を模索するすべての人にとって、一読の価値ある良書と言えるでしょう。


​ほんとうの定年後 坂本貴志












 

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